良い人材を確保するのは企業の成長にとって大切な要素になります。
しかし、実際は大切な人材の離脱や流出で悩む経営者も多いです。
今回は経営者を悩ませる人材確保のための考え方や方法をお伝えしていきます。
人材不足の現状
(株)帝国データバンク「取引条件改善状況調査」によると人員不足が売り上げに影響している事が分かります。
人材不足の大きな原因のひとつは「少子高齢化」が影響しています。
内閣府が出した「令和3年版高齢社会白書」によると、日本の総人口1億2,571万人中65歳以上人口は3,619万人となり、高齢化率は28.8%にまで上昇していることが分かります。
さらには合計特殊出生率の低迷も伴い、15歳未満人口の割合は12.0%となっており、少子高齢化の進行には年々拍車がかかっています(令和2年10月1日時点)。
以上のデータから、日本では高齢者が増加を続け、就労可能な人口が減少し続けている状況に陥っています。
さらに、若い世代の人口減少により、新卒採用で従業員を十分に集められない企業も出てきました。
これは一企業の問題にとどまらず、日本経済への深刻な影響を与えています。
離職率を下げるには
新規の人材を集めにくい事も会社の成長にとって厳しい事ですが、現状の社員が離職、流出する事はかなりの痛手です。
社員が離職するのは必ず原因があります。人事部があるような大企業なら話は別になりますが、規模の大きくない会社であれば、経営者が社員ひとりひとりと向き合う必要があります。
そのためにオススメなのが「1on1」です。つまり経営者が一対一で面談をし、従業員それぞれに細やかなケアをすることが重要です。
面談はあくまでも任意ではなく業務として定期的に積み上げていく事が大切です。すべての要望を受け入れられる訳ではないですが否定せずに「聞く」事に徹する事も大切です。
他にも、離職に繋がりやすい要因として給与への不満が大きいです。給与や待遇の見直しも大切です。
現在の給与が正当であるか、見直してみてください。そのため、現状に満足しているか、ヒアリングすることも大事です。
企業と社員で認識をすりあわせ、どのような条件が正当か見直しましょう。
他にも労働時間の見直しも離職率を下げるための要因になります。特に新型コロナの流行にともない、働き方が大きく変化しています。
労働時間も例外ではありません。経営者としては難しい決断を迫られる事がありますが大切な事です。
優秀な人材を獲得するには
人材不足を回避する事も大切ですが優秀な人材を獲得しておく事も大切です。
何をもってして「優秀」なのか?はそれぞれの会社によって違うと思います。
しかし、どんな企業でも優秀な人材が継続して会社に居てくれる事を望んでいるはずです。
そのためにはただ単にスペックだけで選ぶ事は結局、人材流出につながります。
私は以下の3点が「優秀」な人材に求めるものだと考えています。
① 自社の経営理念やビジョンに共感してくれている
② 自社の社風や価値観に近い感覚を持っている
③ 自社における自分の役割を理解している
社員は大切な人材であるだけではなく「ご縁」で結ばれています。結婚にも似ているかもしれません。
そのためにはお互いを理解しリスペクト出来る事が理想です。
まずは、あなたの会社の考える「優秀」な人材についてきちんとイメージを決めておきましょう。
そのうえで、あなたの会社の「優秀」な人材のイメージをしっかりと情報発信する事が必要です。
そのためには経営者はブログをする事をオススメします。実際に私の周りの成功している経営者はブログをしている方が多いです。
あなたの考えている事、会社の理念の情報発信を丹念に積み上げる事が大切です。
アウトソーシングという選択肢
人材流出を止め、自社で人材確保を努力していても間に合わない事もあります。
人材不足だからといって業務を縮小する事や止める事はできません。
そんな時に役に立つのは人材のアウトソーシングです。特に営業部門のアウトソーシングは有効です。
営業活動には様々な業務が含まれます。ターゲット選定、営業リストの作成、架電によるアポ獲得、商談、契約業務、受注後のアフターサポートなど本当に色々あります。
そのように多岐に渡る営業の仕事をアウトソーシングする事は人材不足に悩む企業にとっては大きな戦力になります。
営業代行とは、営業人材や営業をする際に必要となる知識・ノウハウを提供し、企業に代わって営業活動をするサービスです。
アポイント獲得から商談、顧客フォローなどを代行する他、リスト作成やマーケティングに関する提案など幅広く営業活動を支援してくれる会社もあります。
自社の弱い部分を補完してくれる営業のアウトソーシングですがメリットばかりではありません。
営業のアウトソーシングは確かに便利なサービスなのですが、依存しすぎてしまうと、営業の内製化が進まなかったり、営業代行会社の評価や見直しができない状態に陥ることがあります。
将来的な自走を見据えているのであれば、その旨を営業代行会社に伝え、営業ノウハウが継承される環境を作っておくよう心がけましょう。
ただ、営業の代行費用は、変動費に計上されるため、売上げ高に合わせて柔軟にコントロールできるので有効に使いたいですね。
まとめ
人材不足は放っておくと現在、頑張っている社員に負担がかかる事が大きくなります。
そのためには、経営者は積極的に人材を確保しなくてはいけません。
今回はそのためのヒントになればとまとめてみました。
少しでも参考になれば幸いです。