日本においては、労働人口が減少し続けています。それに加えて「団塊の世代」800万人全員が75歳以上、つまり後期高齢者となる2025年問題も目の前です。
人材不足の中小企業においては人的リソースをどれだけ有効活用できるかがこれからの時代はシビアに求められてきます。
限られた人数でいかに生産性を維持、向上していくか?が大切ですが、そこで課題となってくるのが業務の効率化とそれにむけた業務改善です。
色々ある業務改善を今回は4つの切り口で見つめ直していきます。
ぜひ、最後までお読み下さい。
業務マニュアルを作る
中小企業において人材の教育は大きな負担になります。
その理由としては再現性のある業務マニュアルの不在があげられます。ついつい担当者のマンツーマンに頼りがちです。
しかし、マンツーマンだと担当者への負担がかかり過ぎたり、教育を受ける社員との相性も足かせになる事も多いです。
それに対応するために全てではないにせよ、業務マニュアルを作成しておく事は大きな助けになります。
業務マニュアルを作ることで、担当者が変わっても業務効率や品質を維持できる上、引き継ぎ時間の短縮にもなります。
ポイントとして、業務マニュアル作成は紙で作成するのではなく、オンラインで共有できるメモアプリの利用がおすすめです。
なぜなら、修正加筆が簡単だからです。アップデートする手間が軽くなるのは大きなメリットです。
また、共有する事で共同編集する事も可能ですのでより良い業務マニュアル作成に繋がります。
大切な人材をしっかりと活かし、長く働いてもらうためにも業務マニュアルの作成、見直しを進めて下さい。
業務の可視化を進める
中小企業の場合、業務が担当者の中で終始して他人からは分からないブラックボックス化している事が多いです。
ですから、すべての業務を第三者でも分かるように可視化する事が大切です。
経営者としては具体的には、各業務に関する以下に挙げるような内容を、できるだけ詳しくヒアリングし、状況をまとめる事が求められます。
前述した「業務マニュアル」作成にも通じるのですが以下の事を洗い出しましょう。
・担当者の名前と部署、作業内容
・作業の工程や使用ツール、必要なスキル
・作業にかかる時間や作業が発生する頻度など
・担当者(ヒアリング相手)が「問題」「非効率」を感じているところ
この部分をどれだけ地道により多くの人間からヒアリングできるかが重要です。
というのも、現場の問題を正直に話す社員は、ほとんどいないと予想できます。
普通は楽な方を選ぶので現状からの変化を嫌ったり、目上の相手に悪い部分を見せたくないからです。
いろいろな対策方法がありますが、確実なのは同じ部署、同じ作業をする複数人から情報を聴取することが大事です。
製造業などでよく行われ、トヨタ式カイゼンといわれる改善策を生むにあたり、無駄を可視化する事が大事と言われています。
具体的には
・加工などのムダ
・在庫のムダ
・造りすぎのムダ
・手待ちのムダ
・動作のムダ
・運搬のムダ
・不良・手直しのムダ
の7つの無駄が有名です。このような無駄をヒアリングしていくのも本音を引き出し易くなるきっかけになります。
業務範囲を明確化する
日本の会社経営はチーム型を重んじる傾向があります。
それが良い方向で機能すれば良いのですが、特に中小企業においてはどこまでが自分の仕事の範囲なのか?曖昧です。
日本では業務範囲の線引きが曖昧となり、担当している業務が終わっても、他の人を手伝わなければならないといった状況が生まれています。
手伝うのが悪いのではなく、会社としてどこに問題点があり、しわ寄せが来ているのか?確認しにくい状況を生みます。
それだけでなく、不公平感も助長するので離職問題に繋がりかねません。
自分の仕事と他人の仕事の線引きにより、1つの業務に対して複数の人が関わることによって発生する、進捗状況の報告など余計なコミュニケーションを減らすこともできます。
また相手のために、良かれと思って業務を手伝ったとしても、相手にとっては余計なおせっかいとなるかもしれません。相手の業務を妨げることにもなりますし、手伝おうと思った本人も不必要な業務が増えてしまいます。
以上のような理由から、自分と他の人との業務を明確に線引きすることは、業務改善の1つの方法といえるでしょう。
社外からの視点を活用する
業務改善しなければ分からない事は重々、承知していてもタイミングや人間関係などでなかなか出来ない事もあるでしょう。
そんな時はコンサルタントなどの力を借りる事もポイントになります。
専門的な知識を持たない自社の従業員たちだけで業務改善に取り組むよりも、効果的なノウハウを用いてサポートしてもらえるため、高い成果が期待できます。
コンサルタントからの業務改善方法の提案を受けることで、課題の解決に効果の薄い取組みを避けられます。
また、各担当者の興味やスキルの範囲で改善案が止まってしまう事も避けられます。
一番のメリットとして、細かいことばかりに視点が向き大きな改善や成果につながらないという状態を抜け「まずは何から取り組むべきか」という手順も理解できます。
コストはかかりますが、しっかりと実績のあるコンサルタントに頼む事で大きな時間の節約に繋がります。
自分で探すのも良いですが、商工会などに頼めば実績のあるコンサルタントを紹介してもらえます。
積極的に外部の専門家の力を借りる事も業務改善に繋がります。
まとめ
中小企業の業務改善はついつい後回しになる傾向があります。
しかし「緊急」であり「重要」な事項である事は明らかです。経営者はその危機感を常に持つ事が必要です。
今回は4つのポイントに絞ってお伝えしましたが、マーケティングや集客の改善はぜひ、弊社をご活用下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。