現在、国の方針としてスタートアップとの協業を勧められています。
大きな投資や人の補充をする事なく自社のビジネスの成長につながる可能性があるスタートアップとの協業ですが分からない事も多いです。
今回は特に中小企業がスタートアップと協業する際に理解しておいてほしい事をまとめました。
スタートアップとは
スタートアップとはアメリカで使われ始めた言葉で最近では日本でもよく使われるようになりました。
よく誤解されるのですが「スタート」という言葉を含んでいるので「起業したばかりの会社」という解釈が見られますが、スタートアップは起業時期は関係ありません。
スタートアップは、「新たな価値を創造する力を持つ企業」と考えると分かりやすいでしょう。
例を挙げるとGoogleやAmazon、Facebookなどの新興企業がスタートアップにあたります。
「ベンチャー」とスタートアップもよく混同されがちですがベンチャーとスタートアップの大きな違いは、革新性があるかどうかです。
ベンチャー企業は、早い段階での黒字化を重視し、飛躍的というよりはレバレッジが小さいビジネスで、堅実かつ長期的に右肩上がりの成長をとげていきます。
スタートアップとは、先進的な技術(テクノロジー)やアイデアを強みに、ゼロから市場やビジネスモデル創出に挑戦する成長速度の早いのが特徴です。
国がスタートアップとの協業を勧めている
経済産業省は「スタートアップ企業と事業会社の連携」の中でこのように述べています。
大企業とスタートアップの連携により、チャレンジ精神のある人材の育成や活用を図り、我が国の競争力を更に向上させることが重要です。しかし、大企業とスタートアップが連携するに当たり、スタートアップからは、大企業と共同研究すると、特許権が大企業に独占されたり、周辺の特許を大企業に囲い込まれたりする、といった偏った契約実態を指摘する声がありました。
経済産業省では、以下3つの取組を実施しています。
(1)スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針
公正取引委員会と共同して、スタートアップと連携事業者との間であるべき契約の姿・考え方を示すことを目的として、指針を策定しました。(2021年3月29日公表)
その後、出資に係る取引慣行の重要性を鑑み、「スタートアップとの事業連携に関する指針」を改正し、スタートアップと出資者との契約の適正化に向けて、「スタートアップとの事業連携及びスタートアップへの出資に関する指針」を策定しました。(2022年3月31日公表)
(2)研究開発型スタートアップ支援事業と事業会社とのオープンイノベーション促進のためのモデル契約書
特許庁と共同して、研究開発型スタートアップと事業会社の連携を促進するため、共同研究契約やライセンス契約などを交渉する際に留意すべきポイントについて解説した「モデル契約書ver1.0」を取りまとめました。(2020年6月30日)
更に、大学と研究開発型スタートアップ、大学と事業会社の連携を促進するため、新たに『モデル契約書(大学編)』を取りまとめました。また、モデル契約書(新素材編・AI編)について、利便性を高め、より契約実務に馴染むように改訂(ver2.0)しました。(2022年3月18日)
(3)事業会社と研究開発型ベンチャー企業の連携のための手引き
事業会社と研究開発型スタートアップ企業による連携が上手く進んでいない現状を踏まえ、連携のための手引きを策定しました。(第三版:2019年4月22日公表)
ですから、積極的にスタートアップと協業する事を自社でも考えるのは大切な事になります。
中小企業とスタートアップ協業事例
ここからは実際に中小企業とスタートアップの協業の事例について見ていきたいと思います。
以下、経済産業省の発表した「令和2年度協業事例」の引用になります。
まとめ
スタートアップとの協業は大きな可能性がある事は理解できたと思います。
でも、実際にどのような方法でマッチングすればいいのか?迷うのではないでしょうか?
全国の商工会議所では中小企業とスタートアップのマッチングを積極的にすすめています。
また、民間でも中小企業とスタートアップのマッチングを専門的に行っている会社もあります。
協業は総合的に判断する必要があるので、自社だけではなくこのような他者の手を借りる事も大切です。
スタートアップとの協業は大企業の4割がスタートアップ企業と協業しているという調査結果が出ています。
それに対して中堅・中小企業は6割が「未だ検討せず」となっています。
出来るだけ早い「一歩」が自社の成長につながるのは間違いないでしょう。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。